【コーヒー論文紹介】糖の損失を抑えるデカフェ抽出法の検討

概要

今回読んだ論文はこちら↓

コーヒー生豆を対象とした超臨界CO2デカフェ抽出法における 糖の損失抑制プロセスの構築

著者:平賀 佑也, 奈辺 真生, 安藤 真晴, 岩井 順子, 亦部 章弘, 木下 睦, 渡邉 賢

日々コーヒーを嗜む人にとって、カフェインは切っても切れない関係です。睡眠の質を求めてデカフェを選ぶ人も多いのではないでしょうか。

ただ、デカフェはやはり通常のコーヒーに比べて味が劣る印象があります。

そこでこの論文では、糖に着目し、その損失を抑えたデカフェ抽出方法の検討について述べられていました。こちらを専門用語をできるだけ省いた形でざっくり紹介します。筆者はそちらの専門ではないのであしからず...。

論文の中身

1. なぜデカフェは「味が落ちる」と言われるのか?

一般的に、デカフェコーヒーは熱水抽出によって作られます。

具体的な処理の詳細については省きますが、この熱水抽出は可能な限りカフェイン以外の成分が流出してしまうことを抑える工夫がされています。ただ、熱による影響によって味や香りに関わる成分が流れ出てしまうことは完全に解決できていないのです。

そこで期待されている方法が「超臨界CO2抽出法」というものです。

2. 「超臨界CO2抽出法」とは?

この論文で使われているのは、「超臨界CO2_2」という特殊な状態の溶媒を使ってカフェインを溶かし出す方法です。

こちらを使用するメリットとして比較的温和な環境で抽出ができ、さらにこの溶媒が残る恐れもないことが挙げられます。そのことから、多くの天然物に対して適用された例が報告されています。

1980年代のヨーロッパにて、この「超臨界CO2」を用いたカフェイン抽出は実用化されています。

歴史が長いですね。

また、過度にコーヒー生豆を破壊しないように水を効果的に利用することは、カフェイン抽出効の改善に寄与していることが分かっています。

超臨界CO2抽出法」でのデカフェ製造プロセスは歴史が古いとありましたが、この論文は何を新規性にしているのかと疑問が残ると思います。こちらの研究では、実用的な抽出条件の設定と、糖に着目して、この損失を抑制するデカフェ製造方法と乾燥手法の構築を目指した検討を報告しています。

3. 結果からの発見

実験については専門用語が飛び交い、専門出ない私ではまだ追いきれなかったので割愛させていただきます。興味がある方はぜひ論文をのぞいてみてください。

カフェイン抽出の際の最適な条件は以下でした。

  • 含水率として40wt%の事前含水処理
  • 温度は80℃、圧力は25MPa
  • 流量は低流量(0.5ml/min)だったが、所要時間が長い

また、湿度を制御しながら乾燥処理し、焙煎、そして官能評価(CoEでの評価)をしたところ、結果は良好で、味わい自体も高評価になっていました。ただし、糖の残存率と味わいの関係を見出すことはできなかったそうです。こちらに対しては、他の成分(例えば脂質)の影響も考え、複合的に評価する必要があると考察されていました。

ちなみに...

論文を書かれている著者の所属を見てみますと、東北大学大学院の研究センターと会社の名前がありましたので興味本位でHP調べてみました。

超臨界溶媒 + グリーンCO2製法 + カフェイン抽出のかけ合わせがまさに各HPからも伝わってきました。ストーリーライン株式会社様は国内外のカフェインレス市場に向けてのコア技術を持ち合わせておりますので、デカフェに興味がある方は今後の動向も追いかけてみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回はデカフェの抽出方法とさらに乾燥方法に着目した論文を読みました。

カフェイン抽出の最適な条件と湿度を制御しながらの乾燥処理によって、CoEを使った官能評価でも良好との結果が出ておりました。

コーヒーにつられて、このような化学系の論文を初めて読んだのですが、非常に面白いですね!デカフェのプロセスを知らなかったこともあり、周辺知識を得られるのも良かったです。今後どうなっていくのか...さらに専門知識があって深く理解出来たら、面白そうですね。

ではではまた別の記事で!

参考

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